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大自然の中で、遊ぶように生きる。 地域に溶け込み、暮らしに手をかける豊かな毎日。高橋りつ子・玉樹さんの飯山移住ストーリー

このインタビューは、ふるさと回帰支援センター発行の情報誌「100万人のふるさと特別号『移住する人 支える人』」の内容をWEB用に一部再構成して、ふるさと回帰支援センター「FURUSATO」サイトに掲載された「大自然の中で、遊ぶように生きる。 地域に溶け込み、暮らしに手をかける豊かな毎日。」記事を、一部編集して掲載しています。

「いつか山の近くで暮らしたい」——。幼い頃からの夢を追い、東京から長野県飯山市へ移住した一組のご夫婦。30年以上も山を歩き続けてきた二人が、定年を待たずして新天地に選んだのは、豪雪に耐えてきた一軒の古民家でした。

不便ささえも「生きている手応え」に変えてしまう、自然と共生するオン・オフのない豊かな日常とは。

また、「移住を受け入れる側」である、市役所の移住担当からもお話をうかがいました。

高橋 りつ子・玉樹 さん

たかはし りつこ・たまき さん

高橋りつ子さん
2019年まで東京・代々木にて、日本で唯一のGPS専門店を経営。幼少期から山を愛し、「いつか山の近くで暮らしたい」という願いを抱き続けてきた。現在は日本の伝統文化に深く携わり、趣のある古民家を拠点に、金継ぎなどのカルチャー教室を主宰している。

高橋玉樹さん
2019年まで外資系GPSメーカーに勤務。その後、長野県飯山市の最北端へ移住した。現在は「橅麓 – BUNARock -」の屋号を掲げ、山岳・スキーガイド、パックラフティング、農業、さらには民宿や飲食店の運営など、多岐にわたる活動を展開。幼少期から憧れた山に近い環境で、自然と共生する暮らしを実践している。

橅麓 – BUNARock – Webサイト

ずっとずっと探していた、山のある暮らし。

子供の頃から、山が好きでした。物心ついた時には「いつか山の近くで暮らしたい」と思っていました。私と同じ都会育ちの夫も、いつも土の匂いや風の音を求めていたそうです。 大人になってからも、そんな想いは変わりませんでした。共にスノーボードに夢中になり、雪のない季節は釣りやマウンテンバイクへ。私は福島のキノコの会に通い詰め、気づけば30年以上も山に足を運んでいました。渓流釣りでは数日間山にこもることもありますが、持っていくのは米と最低限の調味料だけ。魚を釣り、山菜やキノコを採って、その場で食べる。私たちが求めていたのは、そんな「生きている手応え」のある暮らしでした。

東京では、アウトドア用GPSの専門店で長年、登山者の安全を支えてきました。やりがいはありましたが、スマホで地図を見られる時代になり、「道具」を売る役割は幕を下ろすことにしました。これからは、自分たちがフィールドの真ん中に立ち、自然の豊かさを直接伝えたい。そう思ってからは、動き出すのも早かったですね。定年を待たず、体が動くうちに楽しもうと、拠点探しを始めました。

築250年の古民家との出会い。不便なことも知った上での決断。

移住先としては長野に惹かれていましたが、なかなかご縁がなく、東北も含めて検討していました。そんな中で出会ったのが、飯山市役所の移住担当・水野浩和さんです。東京での相談会が台風で中止になったのですが、わざわざ私たちの職場まで来てくれたんです。驚きました。理想の暮らしについてもじっくり聞いてもらえ、それが確かな信につながりました。

現地でのアテンドも丸一日。「何でも聞いてください、大根一本の値段でもいいですよ」と笑いながら、病院、スーパー、雪深いエリアまで案内してくれました。まちの良い所だけでなく、生活の不便さまで隠さず話してくれる。その誠実さに、「この人がいる飯山なら大丈夫」と思いました。

写真右から2番目が水野さん。市内を歩いていると、ばったりお会いすることも(2025年5月撮影)

移住の決め手になったのは、築250年の古民家との出会いでした。古民家協会で学んでいたこともあり、この家が持つ力強さはすぐに分かりました。豪雪に耐えてきた太い梁、どっしりとした土間。職人の手仕事が息づく、本物の家です。

正式に決める前に一晩泊まったのですが、その朝のことは今も忘れられません。静寂の中、水の音で目を覚ましました。裏にある「タネ」からの水音です。「タネ」は、飯山特有の小さな消雪池。この町の暮らしを支える水の文化です。都会の騒音とはまったく違う、やさしくも力強い音。気がつけば「ここに決めよう」と、二人でうなずいていました。

「ない」なら、つくればいい。そのプロセスの時間も楽しい。

飯山の暮らしは、東京のような「個」で完結する生活ではありません。移住前、水野さんの仲介で地域の役員さんと顔を合わせ、自治会の仕組みや細かなルールを丁寧に教えてもらいました。その積み重ねが、今の安心につながっています。雪かきひとつをとっても、自宅前だけでなく、集落の道路や近隣にまで気にかける。そんな日々の積み重ねの中で、今では地域の皆さんと自然に笑い合えるようになりました。

2020年に移住し、「橅麓」という屋号を掲げ、オン・オフの境目のない暮らしを送っています。山岳ガイドのライセンスを持つ夫は、冬は鍋倉山へ、夏は信越トレイルや千曲川へ。私は古民家を宿として整え、金継ぎ教室も開いています。割れた器を、美しく強くよみがえらせる金継ぎ。漆が乾くのを待つ間、手作りのスイーツを囲んで過ごす時間は、都会では味わえない至福のひとときです。

地方暮らしを「何もない」と嘆くのではなく、「ないなら、つくる」。そのプロセスも含め楽しめるかどうかが、暮らしを豊かにする鍵だと思います。都会なら数分で済んだことが、ここでは半日仕事。でも、その手間こそが楽しい。いろりの火を囲みながら、美味しい日本酒でゲストをもてなす時間が何よりの喜び。あの朝に聞いた優しい水音は、今日も変わらず、私たちの暮らしに響いています。

移住支援者の視点から――飯山市役所移住推進担当 水野浩和さん

年間300件近い移住相談をいただきますが、ただ移住をお勧めすればいいとは考えておりません。飯山での暮らしがその方に本当に合っているかどうか、ご一緒にじっくり考えることが大切だと考えています。また、理想だけでなく、雪国ならではの苦労も知っていただきたいと思っています。「こんなはずじゃなかった」というミスマッチを防ぐため、あえて厳しい現実も包み隠さずお伝えすることを大切にしています。

高橋さんからは、自然への深い敬意を感じました。移住される方が、一歩ずつ地域の「仲間」になっていけるよう、心地よい着地点を一緒に見つけること。それが私たちの目指す支援のあり方だと思っています。

高橋さんご夫婦をゲストに迎え、東京で長野県飯山市の移住セミナーを開催します!

長野県飯山市へ移住をお考えの方、田舎暮らしに興味のある方向けに、先輩移住者からの体験談を含めたセミナーを、3月15日(日)東京で開催します。

2019年に飯山市に移住した高橋りつ子さん・玉樹さんご夫婦に、移住体験談をお話しいただきます。

開催日時:2026年3月15日(日) 12:30 〜 14:30 (12:15から受付)

会場:ふるさと回帰支援センター東京・有楽町

移住セミナーは参加費無料、定員15名、事前予約制です。
3月10日(火)正午までにお申し込みください。

詳細・お申し込みはこちらの記事からどうぞ!



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