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冬の夜空に燃え上がる炎! 飯山の伝統行事「道祖神火祭り」に密着

いいやま暮らし

1月15日前後の旧小正月のころ、飯山市内のあちこちの集落で「道祖神(どうそじん)火祭り」が行われます。

長野県飯山市内には107区の集落がありますが、そのうちの90以上もの集落で行われている冬の伝統行事です。1つの祭りがこんなに多くの集落で行われているのは、飯山市のほかにはないそうです。

祭りの朝、千曲川の河川敷に行くと、飯山市街地にある上町(かんまち)区の道祖神の飾りつけが行われていました。

「道祖神」というと、石や木で作られた男女の像が思い出されますが、道祖神火祭りでは「かや」で作った道祖神が使われます。

上町区では大小2体の道祖神が作られ、大きい方が「じじ」小さい方が「ばば」と呼ばれています。

前年の雪が降る前に、道祖神作りが行われます

実は道祖神祭りの準備は、前年の雪が降る前からはじまります。11月中旬~下旬ごろになると市内のあちこちで道祖神が作られます。

上町区の道祖神は市内で最大級。その高さは15メートル以上もあるのでは?

芯となる柱を3本建て、周囲にカヤをめぐらせて作っていきます。あまりにも大きいのでクレーン車も出動!

こちらは他の区の道祖神。2メートル程度のものが1体、雪原となった田んぼにぽつんとありました。

かやで作られる道祖神は、集落によって大きさや数、かたちに差異があり、祭りの呼び名も「どうろくじん」または、「どんどやき」とも呼ばれています。

日が暮れて祭り本番。「初道祖神家」長男の健やかな成長を祈ります

道祖神祭りで重要な地位を占めるのが、集落内にある長男が生まれた家。「初道祖神家」と呼ばれています。

祭り当日の日が暮れるころ、長男の健やかな成長を祈って、神社で神事が行われます。

地元の区の祭りを盛り上げるべく活動している若衆のグループ「上南会(じょうなんかい)」のメンバーが、長男誕生を祝う書初めと共に神事を見守ります。

そうこうしているうちに、集落の大人や子どもたちがだんだんと神社に集まってきます。神事が終わると、みんなで初道祖神家まで移動し、家の前で長男の誕生を祝う木遣り唄が歌われました。

大きな書初めを持った上南会のメンバーを先頭に、子どもたちもそれぞれが書いた書初めをもって、千曲川河川敷の祭り会場へ向かいます。

火付けと火消しの攻防戦が見どころ!

午後7時過ぎ。ここから火祭りがはじまります。
初道祖神家のお父さんが、区長さんの提灯からたいまつに点火し、2体ある道祖神の小さい方「ばば」に火をつけます。

子どもたちがその火をたいまつに移し、もう一つの大きい道祖神「じじ」に火をつけようと駆け寄ります。

火をつけようとする子どもたちと、それを阻止しようとする大人たち。この火付けと火消しの攻防戦が道祖神火祭りの見どころです!

動画でもご覧ください。

攻防戦の後に道祖神が燃えはじめ、大きな炎と煙が上がります。大迫力!

祭りの朝に道祖神の中にしまわれた正月飾りや、書初めなども一緒に燃やされます。火のついた書初めが炎にあおられ、揺れながら燃えていくさまは、なかなかドラマチックな光景。

一般的に火祭りの炎は、神を招く目印であったり、神の象徴であったり、すべてを焼きつくして浄化するといった、さまざまな意味があるそうです。

炎を見上げ、その熱さを全身で感じながら、焼きつくすカタルシスが味わえる道祖神火祭り。区長さんによると、この火にあたると一年間健康でいられるというご利益もあるそうですよ。